分子整合栄養医学の歴史

金子雅俊博士(1935-2020年)は、分子整合栄養学理論確立の中心人物であるライナス・ポーリング博士(ノーベル化学賞(1954年)・ノーベル平和賞(1962年)受賞)に師事し、分子整合栄養学を学びました。 分子整合栄養学を学ぶ中で対症療法中心の日本の医療体制を憂いた金子は、分子整合栄養学を日本に導入するために帰国し、分子整合栄養学の普及と発展を願って研究に没頭しました。1991年、自費での栄養解析のための血液検査項目の確立を行い、今に至ります。

年号

世界の動き

日本の動き

1960年代後半

ライナス・ポーリング博士が「分子整合」という造語を生み出す

1960年代

エイブラム・ホッファーは統合失調症(精神分裂病)の原因を研究した結果、当時ビタミンB3と呼ばれていたナイアシンとビタミンCの栄養療法で画期的な成果を上げる

1968年

ライナス・ポーリング博士が雑誌『Nature』に ”orthomolecular psychiatry”(分子整合精神医学)という名前で発表する

1970年

ライナス・ポーリング博士が「Journal of Orthomolecular Medicine」へ初の寄稿、ホッファーの要請で編集委員会の委員として参画。(~1992年)
ポーリングが「ビタミンCと風邪」を上梓

1971年

ポーリングにより、精神疾患の患者の多くがビタミンC・ナイアシン・ビタミンB6の欠乏症だと実証される

金子雅俊氏が抗がん剤研究のため製薬会社の研究員として渡米

1973年

エマニュエル・チェラスキンとリングスドルフが口腔内の問題についてビタミンCなど各種ビタミンの摂取量の増加で改善を報告
ライナス・ポーリング博士がInstitute of Orthomolecular Medicineを設立、ビタミンCの効能についての研究に没頭
カール・C・ファイファーが「ブレイン・バイオ・センター」を設立

1974年

Institute of Orthomolecular Medicineが Linus Pauling Institute of Science and Medicine(ライナス・ポーリング医科学研究所)に名称変更される

金子雅俊氏が健康を守ることの葛藤の解決策を求めて渡米を繰り返す

1975年

ヒュー・D・リオルダン博士が「Center for the Improvement of Human Functioning International Inc.」(のちにRiordan Clinicへ名称変更)を設立

1976年

カール・C・ファイファーが栄養学的精神医学の書籍「Mental and Elemental Nutrients」を発行
Richard KuninとMichael Lesserが米国でOrthomolecular Medical Societyを設立

分子栄養学研究所の登記

1977年

アメリカ合衆国上院栄養委員会の報告書(マクガバンレポート)にて、自然食志向だけではなく、ビタミン、ミネラルについても触れられた

1978年

メイヨークリニックのメーテル博士により、ガンに対するビタミンC治療効果が否定される

1980年

ポーリングが『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン』にビタミンCの有用性を投稿してメーテル博士に反論

金子雅俊氏が、Dr. Paavo Airolaの下で ”Nutrition and Biological Medicine Intensive Workshop”認定を受ける

1981年

ルース・F・ハレル博士がビタミン大量投与でダウン症を含む学習障害児の知能および成績が改善されたという論文結果を報告

1982年

熊本大学 北原 怜教授が金子雅俊氏の協力を得て「メガビタミン・ミネラル栄養療法 入門とその実際」出版

1984年

ロバート・F・キャスカート医師がAIDS治療におけるビタミンC治療について論文を発表
Patrick Holford がUKにてInstitute for Optimum Nutrition(ION)を設立

金子雅俊氏がKYBクラブ創立、金子塾の開講
ライナス・ポーリング博士来日記念公演会:東京
金子雅俊氏が(株)ケンビファミリー設立、健康相談、栄養相談をスタートする

1985年

(株)分子栄養学研究所の設立

1986年

金子塾の全国展開

1988年

Gert Schuitemaker博士らがオランダにオーソモレキュラー健康医学協会 Maatschappij ter Bevordering van de Orthomolecaire Geneeskunde (MBOG)を設立

1989年

Walter Facheが Flemish Institute for Orthomolecular Science(のちにBelgian Institute for Orthomolecular Knowledgeへ名称変更)を設立
Sung-ho Park博士が韓国にて Korean Society for Orthomolecular(KSOM)を設立

1990年

Claus Hanckeがデンマークにて Danish Society for Orthomolecular Medicine (DSOM)を設立

1991年

金子雅俊氏が自己負担による血液検査項目の確立、
目黒区の医院に委託にて開始をする

1992年

バンクーバーの現代栄養医学会議でのポーリング基調講演や各セッションで栄養医学の可能性が実証された

マイケル・レッサー博士来日講演会開催

1993年

Adolfo Panfiliがイタリアにて International Orthomolecular Medicine Association (AIMO)を設立

金子雅俊氏が慢性胃炎と萎縮胃の改善推進のため、PGⅠ、PGⅡ、PGⅠ/PGⅡ比検査による胃疾患の非侵襲スクリーニングを提案、実施

1994年

国際オーソモレキュラー医学会(International Society for Orthomolecular Medicine=ISOM)が設立され、エイブラム・ホッファーが初代会長となる
Hartmut HeineらがドイツにてGerman Society for Orthomolecular Medicine (DGOM)を設立
Richard A. Kunin医師がアメリカにて Society for Orthomolecular Health Medicine (OHM)を設立

株式会社KYBメディカルサービス設立(顧問医ネットワークの拡大)、ヘリコバクターピロリ検査と除菌の推進、10年の検証により自費の血液検査項目を確立

1995年

ブラジルにてAssociaçáo Médica Brasileira de Prática Ortomolecular (AMBO)が設立される

金子雅俊氏がスポーツ選手の栄養指導開始

1996年

金子雅俊氏が貧血の原因の研究(フェリチン・網状赤血球の検査の重要性)、虚血性疾患の早期発見への取り組み(心エコードッグ)

1997年

マイケル・レッサーが日本の金子博士とともに、ニューヨークで分子栄養学シンポジウムを開催

1998年

金子雅俊氏監修の元、福岡の医療機関にて、日本初となる一人目のIVC点滴を実施

2000年

ISOMより「免疫不全マウスの日和見感染に対するオリーブ葉エキスの治療効果」の論文発表(2000年)

2001年

金子雅俊氏がパールメーカー賞受賞【生物医学共同教育研究所より】

2002年

オーストラリア パースでヘリコバクターピロリシンポジウム開催(マーシャル博士)
長期的な研究にて、ビタミンEサプリメントにより冠状動脈性心臓病のリスク低下がみられた

2004年

金子雅俊氏がNPO法人分子整合栄養医学協会設立

2005年

Journal of Orthomolecular Medicineにヘム鉄の論文とピロリ菌の論文を発表

2006年

エイブラム・ホッファー博士が「Orthomolecular Vitamin Information Centre Inc.」をビクトリア州(カナダ)に開設

ヒーリングキャンサー・コンベンションの開催:カナダ バンクーバー(エイブラム・ホッファー博士他6名講演)

2007年

金子雅俊氏がISOM殿堂入り、ISOMより「分子整合医学最優秀ドクター賞」受賞
金子雅俊氏・佐久間浩先生特別講演会開催:東京・大阪

2008年

Gert Schuitemaker博士が「New Light on Vitamin D」を出版し、オランダにてビタミンDの重要性の認知度を向上させた
Bo H. Jonsson医師らがスウェーデンにSvenska Sällskapet för Ortomolekylär Medicin (SSOM)を設立

ロナルド・ハニハイキ博士来日記念講演会:東京

2009年

カナダにてCanadian Society for Orthomolecular Medicine(CSOM)が設立される

2011年

Ilyes Baghli医師がアルジェリアにAlgerian Society for Nutrition and Orthomolecular Medicine (SANMO)を設立

2012年

金子雅俊氏が分子整合栄養医学に加えて4R消化管テーラーメイドアプローチを提案・開始

2013年

金子雅俊氏が分子整合栄養医学に加えて口腔ケアアプローチを提案・開始

2017年

台湾にて Taiwanese Society for Orthomolecular Medicine (TSOM)が設立される

2018年

フランスにて Société Francophone Nutrithérapie Nutrigénétique Apliquée (SOFNNA)が設立される
Vaman JN医師がインドにIndian Society for Orthomolecular Medicineを設立

金子雅俊氏が分子整合栄養医学に加えて便中短鎖脂肪酸検査、リーキーガット症候群検査を提案・開始

2020年

ISOMが「新型コロナ感染および重症化の予防には、ビタミンC・ビタミンD・亜鉛・セレン・マグネシウムの摂取を推奨する」と発表
COVID の治療と予防にビタミンCやDが有効であることが世界的に認知され始める

2021年

Ilyes Baghli医師がアルジェリアにて Algerian Society for Nutrition and Orthomolecular Medicine (SANMO)を設立

2023年

金子俊之医師が分子栄養学に基づいた「メディカルサポート・栄養レポート」のリニューアル(プレスリリース内容:69項目の血液検査結果とAI技術による多面的評価で疾患のリスクを予測)
分子栄養学研究所が内閣府・府省共通研究開発システム(e-Rad)の指定研究機関として登録